Bobsan

ラビッドのBobsanのレビュー・感想・評価

ラビッド(1977年製作の映画)
5.0
クローネンバーグ監督の日本初公開作品ですが、主演がポルノ女優のマリリン・チェンバースという事もあってか、成人指定の映画館での公開となりました。
交通事故、"中性化処理による皮膚の移植手術"という謎の医療、手術室、変な医療器具といった、後のクローネンバーグ作品を彩るアイテムがこの時から既に登場していますね。
主人公のローズに血を吸われた者は、同じように血を欲するようになりますが、相手に噛みついてウイルスを感染させると死ぬという設定が、一人の感染者の死を侘しく描いていていいですね。ゾンビパニック映画のような派手さはありませんが、荒涼として寒々しい雰囲気がなんとも味わいがあります。
肉体に変容をきたした主人公が、恐怖と脅威、興奮と恍惚を味わった末に一人侘しく死んでいくという、後々まで続くクローネンバーグ作品の要素もこの時から既に確立されていたんですね。ブレない監督ですね。
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