うにたべたい

帰ってきたウルトラマン 竜巻怪獣の恐怖のうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.9
劇場版帰ってきたウルトラマン二作目。
第13話・第14話のシーモンス、シーゴラス回の再編集版です。
新マンの視聴率は決して悪くなかったのですが、過去のウルトラシリーズと比較すると期待通りの数字ではなかったようです。
第13話・第14話はテコ入れが入り始めた頃の作品で、名作だらけの新マンエピソードのうちでも特に特撮評価の高い作品です。

太平洋を航行中の船・海神丸は、宝石の原石を積んで港への帰途の途中だった。
甲板ではパーティーが催され、船長の高村も、船員に不思議な言語で歌われたシーモンスの歌を披露していた。
だが、しばらくすると船はきりに包まれ、衝撃とともにみるみる沈んでいってしまう。
ボートに乗って救われた高村はショックで話すことができなくなっていたが、娘の陽子は、過失ではなく、船はシーモンスに襲われたため沈んだと主張する。

謎の歌で歌われているシーモンスという怪獣、続きで歌われていた不気味な警告、そして登場する、夫婦の怪獣・シーモンスとシーゴラスの驚異。
本作では怪獣の対応に自衛隊が出動するのですが、歌の内容が気になったMATはシーモンスを攻撃しようとする自衛隊に待ったをかけます。
焦れた自衛隊はシーモンスに攻撃を仕掛けてしまうのですが、その結果、恐ろしいことが起きてしまう。
自衛隊は更に攻撃を加えようとするのですが、MATが静止し、MATは自衛隊や工事関係の市民、そしてMAT上層部から問い詰められる展開になります。
MAT存続の危機とも言えるシリアスなドラマと、天気を操る二大怪獣との戦いが描かれるスケールの大きな展開で、手に汗握るストーリーになっています。

また、本作は特撮もすごいです。
それまでは山麓部での戦闘が多かった新マンですが、本作は大都市を舞台に竜巻や大津波が襲いかかってきます。
それがもう大迫力で、まさに映画のスケール。
子供向けに毎週30分放送のために作られたとは思えない迫力でした。
そして、荒れ果てた工場で夕日をバックに佇むシーモンスとシーゴラスがまた絵になるんですよ。
ラストはMATが大活躍して事態収拾に大きく貢献するというスッキリした終わり方になっていて、シーモンス、シーゴラス回は新マン屈指の名作だと思います。