ミシンそば

ダラスのミシンそばのレビュー・感想・評価

ダラス(1950年製作の映画)
3.9
「50年代の」と言う枕詞は当然つくとは思うけれど、それはそれとして「A級西部劇」と評してもいい程度には完成度の高い映画。

初っ端からお尋ね者のゲイリー・クーパーがいきなり殺される。
でもそれだと開始10分ちょっとで映画が終わっちゃうので流石に偽装工作で、都会育ちのあまりに物を知らん連邦保安官と組んで街を牛耳る悪徳兄弟に立ち向かうってのがザックリしたあらすじ。

バディものと言えば聞こえはいいが、色々状況は複雑だし、作品が進むにつれその複雑さは増して行く。
悪役兄弟の、仲自体は悪いんだけどそれでも兄が弟を見捨てられない情念が垣間見えるところだったり、保安官の婚約者と最終的に相思相愛になっちゃったり、そこに保安官の嫉妬が絡んだり、そもそも大筋的なバックボーンに南北戦争後も続く対立や偏見が合ったりで、この作品自体は娯楽に振ってはいるんだけど、色々な意味で奥行きは広い。
何より、やっぱり脂の乗り切ってる時期のゲイリー・クーパーのガンマン姿は堂に入っていて格好いい(個人的にはあんまり好きではないけど俳優だけど)。

ラストの展開は、今年の初めに観た「マグニフィセント・セブン」を想起させるような展開があって、ひょっとしたらこの映画が元ネタなのでは?ってちょっとだけ思った(個人的にそう言うのを見つけると得した気分になる)。