【時代の限界を超えていない】
有名な映画ですが、ようやくBS録画にて鑑賞。
アメリカンニューシネマの代表格という作品だそうだけれど、こんなものかな、というのが感想です。
無軌道に強盗を繰り返す男女のお話。反体制的でアナーキーな心情が支配的だった1960年代後半のアメリカ、或いは同様の先進国(日本を含む)の若者には受けたんでしょうね。でも、そういう時代性を越える何かを持っているかというと、疑問。少なくともこの程度の過激さは今ならどうってことないからです。
今ならどうってことなくても当時はどうってことあったんだ、というのは映画史的な見方。それも悪くはありませんが、でも時代によって追い越されるのが大半の、ということはごく限られた傑作以外の映画の宿命だとするなら、この作品もその例外ではないのです。
フェイ・ダナウェイは好きじゃないんですけど、この映画では髪型のせいもあってか、まあまあ魅力的ですね。誰かに似てるなと思って考えてみたら、中山美穂に似ているのでした(笑)。
「俺たちに明日はない」という邦題はよく出来ていますよね。最近、芸のないままに原題をそのままカタカナに直したり、独自のタイトルをつけてもイマイチのケースがほとんどなので、この点はほめるべきでしょう。作品そのものの評価に関しては本質的な影響はありませんが。