Takato

麻雀放浪記のTakatoのレビュー・感想・評価

麻雀放浪記(1984年製作の映画)
3.8
目黒シネマにて「蒲田行進曲」と同時に鑑賞。

蒲田行進曲の後に作られたとは信じられない、戦後の焼け野原を舞台に米国占領軍の入り浸る東京の夜の町を白黒で描くピカレスク・ロマン。ギャンブルの「勝ち負け」を見せ場に持ってくる映画は多々あるが、この映画は全編観ると単なる勝ち負けを描いているわけではないことがわかる。この映画はギャンブルに対する「情熱」に中心に描く。あるいは聞こえが良すぎるかもしれない。賭け事のために友達を裏切るのは当たり前、自分の女を吉原に売り飛ばす、家を売る、徹底的に非情な「執念」を描く。こちらも「ありえない」ことが続くのだが、どちらの映画も当時でさえ特に女性の扱い方ついてありえないと観客に思われつつも、名作だと評価されるべきアツさを持っている。途中乗れない部分は多々あるが、全体を通して作品を考えると、この「暑苦しさ」いや、「熱苦しさ」にやられたとしかいいようがない。
あとこの作品でもスターの若き日を見られて嬉しかった。
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