垂直落下式サミング

ゴジラVSスペースゴジラの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

ゴジラVSスペースゴジラ(1994年製作の映画)
3.5
ハリウッド版の制作が遅れていたため、かなり駆け足で制作された作品。
案の定ストーリーはゴジラが暴れているところ以外は退屈で、水晶に支配された幻想的な最終決戦シーンでそれまでのかったるさを帳消しにできたかと言えば微妙。スペゴジが飛んで来る場面の音楽が「禿山の一夜」の前奏っぽいのですけど、微妙に違うむず痒さが本作の何とも言えない出来映えとリンクする。
平成初期のゴジラ映画の敵怪獣は、どれも最早グッズが制作されることもないであろう地味さであり、ファイナルウォーズへの参戦も許されず一作かぎりのシリーズ登壇となってしまった彼等のしょっぱいデザインは、そこはかとない哀愁を漂わせる。
VSシリーズのゴジラはほとんどが自分の分身と戦うことになるのだけど、今作のスペースゴジラやビオランテのようにゴジラの細胞に別の要素を加えたキメラ生命体や、前作のゴジラを模して作られた巨大ロボット兵器のメカゴジラであったりと、ゴジラを倒すのはゴジラしかいないという発想が続きすぎてパターン化してしまっているように思う。
やはり、バトラやデストロイアのような新キャラと同じく、本作では新デザインで再登場したモゲラを贔屓してあげたい。