ドナウ

SOSタイタニック/忘れえぬ夜のドナウのネタバレレビュー・内容・結末

-

このレビューはネタバレを含みます

タイタニックは未見というのが私らしく天邪鬼である。今作は一見地味ではあるものの細部ににこだわり史実に忠実、これが事実ならほとんど人災。船がイギリス、資本主義の権化というか上流下流に無慈悲な隔たりがあって、上流が落ち着いて避難するまで下流は階下に押し込められる。当然のように金銭を多く払った者たちのボートしか用意されておらず、その他の者達の事は考慮されていなかったらしい。やっぱり救命胴衣の取り合いや、沈没後の溺れている人々を救うか己の身を守るかの葛藤とエゴは嫌な気分になるし、対して我が身を犠牲にしてでもやり遂げようとする姿は心を打つ。直接的な揺れは表現せず画面(セット)の傾きや小道具を使っていたので画面揺れが苦手な自分としてはとても見やすかった。音楽は心の憩い、恐怖が満ちた看板で奏でる楽団がすごく良くて避難しようと一度解散した後再び演奏をした曲が多分あれ葬送行進曲で笑ってしまった。そしてあの二人と重なる人の姿も…。
ドナウ

ドナウ