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何も変えてはならないのTenKasSのレビュー・感想・評価

何も変えてはならない(2009年製作の映画)
4.5
コロナ自粛×夏バテで、だるっだるの身体にジャンヌ・バリバールの声がとても気持ち良くて、ちょーサイコーいぇーい…ってしてたら終わった。(その後Spotifyで数曲また聴いた)
画面も音楽も本当に全部気持ちが良いのだけど、音楽に疎いので理解するという意味ではかなり低次元なところで止まっている。

「何も変えてはならない」とタイトルが出た時に話されているのはこの曲をどう変えるかという話。

途中『映画史』からの引用のゴダールの声がサンプリングされていた。
ブレッソン→ゴダール→コスタ

音楽は「しっかりと」映画は「楽しんで」じゃあ映画みたいに楽しもう!とセッションする。
しかしレッスンの場面ではダメ出しの嵐。なんだか講師のセリフがメタっぽい。
「他のところは変わらず歌えるのに「真実」だけがダメ。」
「有りがちなメロドラマみたいに。」
「もっと西部劇みたいに。」

全編モノクローム。凄まじい陰影で、全場面の画面のトーンが大体同じ。だから時間経過だとか場所の移動とかはサッパリ分からない。突然の日本。予めパンフレットで日本のカフェが出るという情報が入っていなければ多分アジアという情報以外分かり得ない。そもそも分からせる気はないだろうし、映画がそこまで観客にしてあげる必要もないのだと思う。
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