このレビューはネタバレを含みます
ジャンヌ・バリバールの密着ドキュメンタリー。ひたすら固定でインタビューも一切なしでも成立していました。
音楽も素晴らしく、レコーディング風景がそのまま劇伴のよう。サントラが欲しくなりました。
強烈な陰影で、キマリまくりの構図がカッコいい。因みにチラシには「東京のカフェまで」と書かれていましたが、出てきたのは1カットだけ肩透かし。しかしそのカットがまたいい味出してました。カフェというより喫茶店。
オッフェンバックの「ペリコール」の舞台のカットは、舞台脇のピアノのみというかなり思い切った構図。しかし舞台上の様子が想像させられて楽しい。
ペリコールのレッスン風景では、バリバールがダメ出しに「もういや…」と泣きが入るところで思わず笑ってしまいました。最後のセッションもかなりカッコよかったです。
驚くほどの単純さのなかで、バリバールの魅力が十二分に伝わり、さすがの構成力に感動させられた作品でした。