manami

PicNicのmanamiのレビュー・感想・評価

PicNic(1996年製作の映画)
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ど変態、ロマンチスト、どちらの部門でもトップランカーである岩井俊二監督が、またしても自身の趣味を暴発させている。
そして思いがけずホラー!ツムジの幻覚とかサトルが塀の上に戻ろうとするシーンとか、不気味すぎるわ!
Charaと浅野忠信が共演しているのエモいな。浅野忠信はまだ線の細い身体つきが強迫観念をより一層感じさせるし、「先生」と会話する場面とか、塀の上を歩いていて急にスイッチが入ったかのように先を急ぎ出すのとか、やっぱりさすがだなぁ。
Charaは、まんまChara。どっからどう見ても怪しい施設に、強制的に入所させられたココを演じてる。受け取ってもらえなかった人形は、誰にも必要とされていない彼女自身に重なる。
ところでこの施設は何なんだ、何がしたいんだ?窓の格子の間隔広すぎでしょ、そこから普通に出られるって。塀だっていとも容易く上れちゃうし、その上を歩いて施設の外に出られちゃうし。職員はあんなに大勢いるのに、セキュリティって概念がない世界線なのかな。そのくせ戻ってからのお仕置きがマッドサイエンティスト全開なの、これまた謎。
音楽、白と黒の三人組、ラストで舞いちる羽根、ゴスロリ的ロマンチシズムが大量投下され続けて、かなり岩井俊二味濃いめ。

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