Hanareru

私の殺した男のHanareruのレビュー・感想・評価

私の殺した男(1932年製作の映画)
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名作
自分の犯してしまった罪をどう精算したらいいのか分からない。そんな男が赦しを求めてあげく作品。まあ足掻いているようには見えないところだってあるが、それは現実から逃げているだけでもあり、相手に合わせた優しさという言い訳でもある。自分は戦争を経験していないから共感なんて出来そうもないが、自分がその現状に置かれたら、罪の意識から逃げるだろう。それだけでも、主人公の果たそうとしたことは立派に思える。自分のためだから、場を引っ掻き回してるようにも取れるけど。
最後に起きることは、都合よく取れる。しかし、自分としては中でも辛い罰ではないだろうか。精算を果たそうとした男にしては、過酷の道のりだが、それは心の底では求めているものだろう。
そして、演奏のシーン。綺麗なメロディが捻れた因果から、視点を遠くさせるようなメロディが鳴る。作中のセリフは現代にも通じることがある。
教訓となる作品。短さもちょうどよく、オススメ。
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