Harigane

私の殺した男のHariganeのレビュー・感想・評価

私の殺した男(1932年製作の映画)
4.1
<あらすじ>
第一次世界大戦の西部戦線にて。
フランス軍兵士のポールはドイツ兵ウォルターを刺殺するが、その事に対して自責の念に駆られてしまう。
やがてポールは謝罪する為に殺してしまったウォルターの実家を訪ねるが、そこで会った両親と婚約者に、ウォルターの友人であると勘違いされ、暖かく迎えられてしまう。
なかなか言い出す事のできないポールであったが、ついにその思いを告げる事を決意する・・・

<感想>
bennoさんにオススメいただいたフランソワ・オゾン監督作品の「婚約者の友人」。
そして今作がそのオリジナル版だと聞いて、先に今作から鑑賞しました😁

とても見応えある作品でした💫
戦争によってドイツ兵を殺してしまったポール🪖
殺さなければ殺されてしまうこの状況、決して彼は"殺人者"ではない…
それでも、相手を殺してしまった事に対する罪の意識は消えることがない💧

殺された者も、殺された周りの者も、そして殺してしまった本人も、皆がずっとその事実に苦しみ続ける。。
戦争って、本当に皮肉なものですね😰

謝りに行ったはずのウォルターの実家でも、ウォルターの友人だと勘違いされて暖かくもてなされる。
この時のポールの気持ちを思うと、もの凄く胸が締め付けられます😓

謝るきっかけを失うと、なかなか謝る事って難しいですよね😬
そのことによって相手がどれだけ悲しむかと想像がつけば尚更。。

戦争の悲劇によって皆が苦しんでいる中、ウォルターの家族にとってポールは救いの光を差し伸べてくれた存在✨(ウォルターの友人だと思っているので)
この展開は観ていてなかなか辛いものがありました😣

ポールの境遇にも感情移入しましたが、何といっても素敵な人柄だと感じたのはウォルターの婚約者であったエルザ。
彼女自身も真実を知った事によって大いに苦しんだはず😢
それでも彼女の機転によって、今作はバッドエンドを迎えることはなかった✨
時には隠し続けなければならない『嘘』もあるんだと、今作観て感じました。

ラストシーンはとても感動的で心に響きました🥲

今作もとても素晴らしかったし、リメイク版「婚約者の友人」観るのも楽しみになってきました🎶

「西部戦線異状なし」もそうだったけど、こんなにも素晴らしい映画が作られた後に第2次世界大戦が起きているという事実が、あまりにも    悲しいですね😢
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