幕のリア

格闘技オリンピック 四角いジャングルの幕のリアのレビュー・感想・評価

3.8
"格闘技世界一"
"激突!格闘技"
"格闘技オリンピック"
「四角いジャングル」DVD3枚組980円。

シリーズ3本目

スポーツバッグ一つで東京にやってきたウイリーが夜の道場にたどり着いた。
口笛をバックに実に映画的なカットで始まるオープニングがセクシー。
ナレーターは艶やかな美声が堪らない城達也。

シリーズを通して、プロレス代表アントニオ猪木と極真カラテ代表ウイリーウイリアムスの対決に至る壮大な煽りVとなっており、いよいよフィナーレを迎えるにあたり、どことなくエレジーが漂う。

腕っ節日本一大会に挑む男たち。
極真道場で真木日佐夫と練習するクンフーの達人から瀬戸内海でトレーニングする自己流空手歴半年の若者まで。
ウイリーのお披露目ありきの後楽園ホールでの興行。
THE OUTSIDER的なコンセプトに至っておらず、梶原一騎のプロデュース不足が否めない。

身長204センチのウイリー・ウイリーアムス。
黒崎道場での激しい修練、はたまた藤原敏男との合宿では滝行。
アメリカではスクールバスの運転手をしているという話とその静かな佇まいは、ジム・ジャームッシュ/アダムドライバーの「パターソン」を想起させられる。
一方の猪木はパラオで、かの有名な槍特訓でマスコミへのサービスを怠らない。
そして世紀の大決戦は、半端なブッキングにより凡戦に終わる。

私は
安全と快適さと
平穏しか
知らなかった
私は
危険と暴力に
飢えていた
ーフィリップ・カブト「戦争が生んだ風説」よりー

終幕
幕のリア

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