アトミ

吸血鬼のアトミのネタバレレビュー・内容・結末

吸血鬼(1932年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

92点

悪魔信仰、吸血鬼の迷信研究に没頭するあまり現実と超自然の境界がなくなってしまった夢想家の青年アラン・グレイ。
ある夜。クルタンピエール村の川辺の寂しい宿での不思議体験。


宿に到着したアラン。
娘に部屋に通される。
窓の外には死神的な大鎌を持った老人が桟橋にある鐘を鳴らして小舟を呼び、乗り込むのが見えた。
アランはカーテンを閉め、部屋に飾られた死神を表しているような絵画に興味を持つ。
と、廊下から「血がどうこう」とか話す老人の声が聞こえてきた。
アランがドアの外へ出てみると上の階から気味の悪い老人が現れたので慌てて部屋に戻り鍵をかけた。

夜中。
寝付けないアラン。
と、気味の悪い老人が部屋に入ってきた。
「あの子を殺してはならない!」
そういいテーブルに小包を置き「我が死後に開けよ」とメモを書き部屋を出て行った。

翌日。
アランは宿内を捜索。
と、人物は見当たらないのに人影があちこちにいるのを目にする。
逆回転で穴を掘るおっさんの影。
独立して歩く義足兵隊ジジイの影。
気味の悪いババア。
気味の悪い部屋。

途中出会った気味の悪いジジイは「ここには子供はいない。」と助言した。


アランは庭で「逃げる影」を追う。
そこには淋しい館が建っていた。
人里離れ、2人の娘と召使いと共にあの宿に現れた気味の悪い老人がひっそりと暮らしていた。
1人の娘レオーヌは血を欲し、ベッドで苦しんでいた。

と、気味の悪い老人は何者か(義足兵隊の影?)に銃で撃たれた。
目撃したアランは召使いに話し、気味の悪い老人を助けた。
が、老人はもう1人の娘ジゼルにハートの形見を渡し死んでしまう。

召使いが馬車で警察に向かう間、アランはとりあえず館にとどまる。
気味の悪い老人から渡された小包を開封。
パウル・ボナ著「吸血鬼の不思議な話」という吸血鬼の特徴が書かれた本だった。

と、レオーヌが庭をうろついてるのをジゼルが発見。
アラン共に探す。
と、横たわるレオーヌのそばに気味の悪いババアがいた。
ババアはその場から逃げて行く。

レオーヌの首には噛まれたような新たなキズが見つかる。
部屋で治療を受けるレオーヌ。
自分は呪われてると突然泣き出したかと思いきや、突然天井を見つめながらニヤける。
恐ろしくなったジゼルは部屋を出て、アランのもとへ。レオーヌに死期が近いと感じた。

と、馬車が戻った。
が、御者は死んでいた。

と、医者がやってきた。
あの「気味の悪いジジイ」だったのでアランは目が点。
医者はレオーヌを助けるには「人間の血」がいると説明。アランは大量に採血され、休んでいた。

本を見つけた召使いのジジイもその内容に目を奪わる。
25年前、クルタンピエール村で11人が死んだ疫病に医師らは学術名を付けたが住民らは吸血鬼マルグリート・ショパンの仕業だと頑なに信じた。
彼女は悔恨なく死亡。教会は葬儀を拒否した。
と、ドアが開き、影が開いた事(気配)に気づいた召使いジジイは廊下に出る。
と、医者がレオーヌの部屋へ。

その頃。
アランは骸骨が毒薬を手渡そうとする悪夢を見ていた。
と、召使いジジイが「大変なことが起こった。来てください!」とアランを起こす。

レオーヌはベッド脇に置いてあった毒薬を手にしのんでしまう。
アランは医者をレオーヌから離し、レオーヌの様子を見る。
と、医者逃走。

アランは影を追う。
一旦ベンチで休憩。
と、幽体離脱。
アランは幽体で影を追う。

とある建物に入ったアラン。
棺の中を見てみると自分の死体があった。
部屋の奥にはジゼルが囚われていた。
と、医者が帰ってきたのでアランは隠れる。

助手がアランの遺体が入った棺に蓋をする。
そこには気味の悪いババアもいた。
医者は助手らに棺を墓地に運搬させた。
アランの幽体はいつの間にか遺体とフュージョンしてるかのような目線ショットが続く。

そんな中。
と、ベンチで休んでいたアランが目を覚ます。
召使いジジイが何者か墓の石蓋を開けてるのを陰から偵察。
と、アラン幽体?が現れ助手を手伝い始める。
棺の中には「気味の悪いババア」の死体。
召使いジジイはその死体に鉄杭を刺した。

気味の悪いババアの遺体は白骨化し、レオーヌが生気を取り戻し目覚める。
その気味の悪いババアこそマルグリート・ショパンだった。

そんな中。
医者の前の霊体がマルグリート・ショパンが現れ命を狙う。
医者は邸から逃げる。が、2階にいた義足兵隊は階段から転落し死亡。

そんな中。
アランは囚われていたジゼルを救出。

そんな中。
水車小屋に逃げ込んだ医者は召使いジジイが動かした機械により小麦粉で生き埋めになり死亡。

アランはジゼルと森を抜けて行く(影から日向へ)。





という感じのお話。
「アランの不思議体験アンビリバボー」と冒頭から言われ、身構えるんだけどそれでも見ててワクワク止まんないほどの「不思議」。
この「夢」に近い展開が好き。

ヴァンパイアが実際に人を襲う恐怖じゃなくて、実は粉にまみれるの息苦しさのリアリティーの恐怖なんだよね(実際大幅にカットされちゃってる)。
夢の中なのに。ね。
アトミ

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