Haman

吸血鬼のHamanのレビュー・感想・評価

吸血鬼(1932年製作の映画)
3.8
たぶんうなされる。目クソをとる前の寝ぼけ眼のようなモヤがかった画面。古い映画だとしてもいやに古ぼけた映像だなあなんて思っていたらカメラにガーゼをかけていたらしい。お洒落だね。このモヤがかった画面が醸し出す見えちゃった感というか、横目で見たビニール袋が人影に見えちゃった時のような奇っ怪さを味わえてゾクゾクする。
集中して血眼でガン見してたのに、あれ?いま気失ってたかなと思うほどストーリーは筋立ってなくて、タイムリープしてねえのにお前タイムリープしてねって言われたような、モヤモヤした気持ちになる。とにかくよう分からん。でもそのまったく掴めないストーリー展開が悪夢感ってのを助長してるのかも知らない。運ばれてる棺桶から眺める景観や良しで、今きみ死にましたよ。って告げられたような、脳が知覚しちゃヤバそうな感覚でちょっぴり新鮮だった。
本当にたった5分間の二度寝で見た長い悪夢のようで薄気味悪くおっかない映画だった。とりあえず今晩うなされそう。寝る前に観る映画ではなかった。

映画始まる前の解説で淀川長治がオチまで丁寧にネタバレかましやがったなと思っていたら、話していたあらすじと本編がまったく違っていてあの爺さんは何を言っていたんだろう、という居心地の悪さまでついてくる。
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