すずす

アパートの鍵貸しますのすずすのネタバレレビュー・内容・結末

アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「上司の不倫の為に、自分の部屋を貸し出す」ことで出世の階段を昇りはじめたバド。そんな彼に降りかかる思わぬ災厄。しかし、災い転じて何とやら、映画史に名を残すラブコメの最高傑作。

主人公バドは、ニューヨークの保険会社の真面目な社員。会社のそばのアパートで一人暮らしをしているが、上役から不倫の為に部屋を貸してほしいと頼まれ、鍵を貸していた。バドは会社のエレベーターガール・フランに惹かれていたが、ある日、人事部長に鍵を貸し、翌朝、帰宅すると、睡眠薬を大量摂取したフランが倒れていて…

主人公の住むアパートの隣人医師、大家、フランの兄などが気の利いた脇役としてドラマを盛り上げていきます。イヤリング、帽子などの小道具の使い方も秀逸。

主人公のバドが働く巨大な保険会社の事務所のセットは有名で、事務所の巨大な空間に無数の机が並び、ロボットのように同じ様な動きを繰り返す大勢の労働者たち。そこに都会の孤独が浮かび上があがります。

そんな無機質な事務所の裏で展開する、ドロドロの大人の恋愛(性愛)事情は、21世紀の目で振り返ると、セクハラの温床で相当ヤバい!展開です。
しかし、国際的に男女の格差を非難される現代日本、この頃のアメリカ(1960年)と大差ないレベルなのも、また事実だから嫌になります。
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