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イージー★ライダーのandesのレビュー・感想・評価

イージー★ライダー(1969年製作の映画)
3.5
15年くらいぶりに再見。ニューシネマとか歴史的意義とかを取っ払うと、宗教的なロードムービー。意外や意外、ヒッピームーブメントに対する疑問もあり、本当の「自由」を問う(問おうとしている)作品。
結局、アウトサイダーの物語であり、「偏見」「固体観念」「不寛容」と対面するが、ワイアットとビリーは「闘わない」のである(強盗もしないし、花嫁を奪わないし、精神病院からの解放も目指さない、モヒカンにして殺人もしない)。他のニューシネマと比べ、受動的なのは重要なポイントである。基本的には長閑で成り行き任せ。それなのに、世間が「放っといてくれず」旅を続け、旅が終わる。このあたり、マイノリティの描写として普遍性につながると思う。
序盤でカウボーイへの好意的な描写やヒッピーコミューンに馴染まないくだりなど、単に「古い」=「悪」の構図に陥っていないのは良い。カレン・ブラックがあからさまにラストへの伏線を張る台詞を連発するのでわかりやすい。ラストシーンもピーター・フォンダの死は描かれず、カメラが天空へ昇る。
2022年現在、我々現代人は未だに他人の「自由」に干渉することをやめられないでいる。
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