tunic

白鳥の歌なんか聞こえないのtunicのレビュー・感想・評価

白鳥の歌なんか聞こえない(1972年製作の映画)
5.0
未だ浪人生の薫くん最近なんだか変になっちゃったGFや友だちがしょっちゅう電話したり訪ねてきたりして勉強する暇なし。赤頭巾ちゃんのときより性と死のイメージ濃厚なのは原作通りなのか桂千穂テイストなのか。登場人物全員の教養レベルの高い会話はまるで外国語のようだ。

バネのおもちゃと犬のぬいぐるみと窓にクモの巣が張ってる坊ちゃん部屋最高だなー。友だちが来たら出前をとってあげる文化。オープンリールデッキのある兄のバチェラー部屋もオシャレ。由美とのお散歩コースもいいな。加賀まりこと出会う東京タワーがみえる高台、あれ班女で山村聰が絵描いてたとこだ。

なんつっても薫くん役の岡田裕介が素晴らしいのだけど、彼を抜擢した金子正且の慧眼たるや。本物の日比谷高校卒だし。監督の渡辺邦彦は他に『阿寒に果つ』しかみてないけどロケ描写ほんと美しい。ってことは城戸真亜子の『アモーレの鐘』もきっと素晴らしいに違いない。

2020.10.18
tunic

tunic