再鑑賞。
失業中の青年トラビィスは反戦運動で魅力的な女性と出会う。
彼女とのインド旅行の資金を稼ぐために、高額な報酬が出るという心理実験参加するのだが…それは恐怖の始まりだった…。
ドイツ映画の名作「es」のハリウッドリメイク。
これは忠実なリメイク作で「es」と内容的にはほぼ同じですね。
とはいえ「es」を観たのが大分昔の話なので、大きく違う場面もあったのかも知れませんがあまり覚えてません。
「es]は実験を見守る研究員が出てくるシーンがあったと思うのですが、今作は最初に出てきただけで後は出てきませんでしたね。
エイドリアン・ブロディさんとフォレスト・ウィティカーさんが囚人と看守に分かれて憎み合います。
観ていて胸くそは悪くなるのもオリジナルと一緒。
確かにその状況によっていかに善人な人間であろうとも、変わりゆくというのは証明されてる事ではありますが、やっぱり目の前でそういう事が起こると良い気持ちはしない…。
研究者もっと早く止めろよってツッコミどころもオリジナルと一緒。
だれが一番悪いってやっぱこうなる事は大体分かっていて実験を行う研究者でしょうね…。
人のためになるとは言うけど結局は自分の研究欲を満たしたいためじゃないだろうか…。
看守役のフォレスト・ウィティカーさんの演技が素晴らしかったです。
最初はエイドリアン・ブロディさんと逆の方が良かったんじゃないかと思いましたが、気弱で温厚な男がだんだん狂気に満ちていく過程は凄まじい。
それにしても米兵の捕虜の虐待とか刑務所の囚人への虐待とか、パワハラとか実際頻繁に起こってますし、それを思うとこの映画の話は極身近なものだったりしますね。
しかし、この映画は事実を元にしているもののかなり誇張されている部分も…。実際に起きたスタンフォード監獄実験での騒ぎでは、暴力による負傷者は出たものの幸い死者は出ていませんね。
「es」を観て面白く無いと思った人は今作もダメだと思うので観ない方が得策かと思います。
新鮮さはないですが、忠実リメイクとしては良く出来ていると思います。