うにたべたい

怪獣蛇九魔の猛襲のうにたべたいのレビュー・感想・評価

怪獣蛇九魔の猛襲(1961年製作の映画)
3.4
1961年公開の東映特撮時代劇。
知る範囲で2022年10月現在、ソフト化されていないと思います。
タイトルだけは知っていましたが見るのは叶わないと思っていたのですが、東映時代劇YouTubeで限定配信されたので見ることができました。

ストーリーは、岩見重太郎のヒヒ退治が下敷きになっているのではと思います。
場所は筑前、娘のいる家に白羽の矢を立て、家人の目の前でヒヒの怪物の暴力に物を言わせ娘を攫っていく蛇九魔(ジャグマ)という妖賊が現れ、民は恐れ慄いていました。
蛇九魔をの討伐を殿は、家臣の重左衛門に命じます。
重左衛門には重太郎と重次郎という二人の息子がいたのですが、重太郎は暴力沙汰により勘当されていました。
重左衛門と重次郎は蛇九魔討伐に乗り出すも、ヒヒの怪力と蛇九魔の妖術によって、翻弄されてしまう。
そんな折、諸国漫遊から帰ってきた重太郎が、重次郎の前に姿を現す。
ただし、勘当された身のため、長屋の顔なじみの元へ見を隠し、父を陰ながら援護することを決心します。

タイトルこそ、"怪獣邪九魔"となっていますが、邪九魔は怪獣というよりも"怪人"という風防です。
お面を被った妖術使いで、面を被った手下を従い、ひらりひらりと屋根から屋根へ移動し姿を隠します。
手下のヒヒが強力で、剣や矢を蹴散らし、武芸者が大勢で襲いかかってもひとたまりもない、止めようがない敵が相手です。
里見浩太朗演じる岩見重太郎が、果敢に挑み、流れはお約束でわかりやすいです。
タイトルから巨大怪獣の登場を期待していた自分としては少し期待と外れましたが、とても楽しめました。

邪九魔の正体は作中に登場するある人物なのですが、黒幕も含めてバレバレです。
ここで実は邪九魔の正体は重太郎自身でした、というどんでん返しがあったら面白かったのですが(重太郎の戻ってきたタイミングが良すぎるので)、そういうひねったようなことはしないのもまた良い点だと思います。

ラストで岩見重太郎は旅立ちますが、『逆襲天の橋立』に続くのかな。
『逆襲天の橋立』も後日配信されるようなので、こちらも楽しみです。