おばけシューター

ハプニングのおばけシューターのレビュー・感想・評価

ハプニング(2008年製作の映画)
3.5
評価低っ!笑
あと一歩で2点代になりそうなので☆1を付けたい気持ちを抑えて、まぁまぁの評価。
ハプニングの原因は何だったのか、なぜ原因不明だったのか、一番下に考えを書いてます。気になる方がいたら読んでみてください。

エンディングのダンスはやらない派のインド系アメリカンのシャマランが、またナイスな設定と導入を考えた本作、アメリカなのに街にインド人っぽい人が溢れてて笑う。シャマラン本人もいます。

冒頭、ソッコーでハプニングがハプンするあのスピード感は結構よかった。
何かヤバいことが起きているのに何が原因なのかはさっぱりわからないまま物語が進行し、わからないまま物語が終わるというところが低評価の要因だろうか?個人的には色々想像できて、割と楽しかったんですが、確かにすっきりはしない。
というか結局なんだったのかについて考えを放棄してる印象もあって、それはよくないですね。本人途中で死んだしね。逃げたな…!

しかし作者が正解を用意してたとしてもなかったとしてもそれはシャマランが勝手に言ってるだけ(笑)なので、勝手に考えてみよう。

まず、実際のミツバチが原因不明で大量に失踪する現象、蜂群崩壊症候群。通称いないいない病(←私が考えたんじゃないよ!)が作中で言及されます。
アメリカの養蜂場にいる蜂が1/4消えたこともあるようで、原因はよくわかってないが当時使ってた農薬説が濃厚らしく最近はあんまり起きてないとか。
そしてミツバチが消えた世界での人間の余命は4年とアインシュタインの有名な言葉が作中にありました。よく調べてませんが結実が起きなくなる事が致命的なんでしょう。
また、兵器やウィルス説など色々と意見がありましたが、中でも植物から発生した毒素については作中何度か言及があり、草木が風で揺れた時にそれが起こる事も示唆されていました。

まぁこれらは本編が勝手に言ってるだけ(笑)なので、一応気にする程度に考えてみます。

・アポトーシス説
apoptosisというのはオタマジャクシの尻尾なんかに見られる不要な細胞を分解する機能のことで、細胞が自然死するときはこの機能が使われています。面白いのは生き物の細胞には最初から自死する機能がついてるという点です。
で、地球=生物と考えると地球上の生き物は細胞や常在菌といったところでしょうか。
すると私たち生き物は、実は地球を存続させるために生まれた存在だったと考える事ができます。
生き物が地球の何の役に立ってるのかは聞かないでほしいけど、まぁ緑に囲まれた状態が健康な地球としておきましょう。
で、人間様はさすがに環境を破壊しすぎてしまった。ここでトラップカードオープン、アポトーシス発動でターンエンド!
細胞が死ぬには、養分や酸素が届かなければOK。細胞の周りをウロつき、栄養を運ぶ存在…そう、ミツバチです。

・植物感染のウィルス説
ハプニングで起きたほとんどのことは原因不明ですが、わかることもあります。上に書いたとおりミツバチが消えることは、現実でも起きてます。作中で起きたミツバチの件も、これだったら?
意味深に言われてただけで、ミツバチが消えたのはハプニングとは無関係という事。
ではハプニングは?やはり風に揺れる草木が感染源なら、植物性の毒素かウィルスですかね。発生源が広がってくことを加味して、ここではウィルス説としました。ウィルスなら発見できそうですが、リスクが高すぎて顕微鏡で見付けるとこまで到達してないとしました。

・原因不明設定説

個人的にこれを推します。自分の考える、ハプニングとは何だったのかの結論はコチラ。

上でシャマランが何が原因か最初から設定を放棄しているという話をしましたが、意図してそのような設計だったという説です。
現実での蜂群崩壊症候群はわかっていない事が多く、明日全ての蜂が消えない保証もありません。そして、全ての蜂が消えた暁に、人類を待つのは緩やかな滅びです。
シャマランは人類がそんな危機に瀕しているということを描きたかったのではないでしょうか。

考えすぎというか、シャマランに期待しすぎな気もしますが、そう考えると納得できる気がします。まぁ、それが映画として面白いかは別問題ですが。

以上、よろしくお願いします。

あと、あの人形、今まで見たものの中で一番きしょかった。「やっぱり盗む気ね!」って誰が盗るかボケ!

おしまい