カレス

ハプニングのカレスのレビュー・感想・評価

ハプニング(2008年製作の映画)
3.5
IMDb 5.0
サスペンス
吹替版

河瀬直美監督「朝が来る」、栗原夫妻の表情が硬くて今にもおぞましいものが出てくるのではないかと予感させる出だしだったが、本作は終始マーク・ウォールバーグとゾーイ・ディシャネルの硬い表情がアップで映し出され、オレに明日の夜明けは来ないのではないか、と不安に駆られる。そういう雰囲気なのだが、主人公エリオットの根拠のない勝手な推測(結果的には正解だったが)がいつか規定の事実になってしまうあたりスピルバーグの「宇宙戦争」を連想させる。「宇宙戦争」ではいつの間にか三本脚の怪物が宇宙人の乗り物トライポッドと呼ばれるようになる。ちょっと怪しい人が家にこもっているのもなんか似ている。

以下ネタバレ


実は以前少し見たことがあり、唐突に自死が多発したのですぐに中止。ゾーイ・ディシャネルつながりで数日前にもうちょっと先まで見て中断。雨丘もびりさんが、…あ、面白かった、とレビューしたので残り1時間ほどを最後まで見ました。
事態が収束して3ヶ月、エリオットの妻アルマ(ゾーイ・ディシャネル)が落ち着かない様子で静かに座っていて、ある棒状のものに手を出したので、もしやそれは刃物で症状再発かと思ってしまったが、それは妊娠検査キット、それも陽性でした㊗️ ということでこの映画は一件落着としよう。
この事態は人間が増えすぎて自然界のアンバランスを安定させるため植物が毒素を分泌したのが原因だった。これは、マッドサイエンティストかなんかが発見、証明しようとするが誤って毒素を吸入してしまい世間に発表する前に死んでしまう、というような(ディープインパクトみたいな)プロローグがあった方がいいと思う。自分的にはそういう科学的な側面があった方が食いつきやすい。
あと、ゾーイ・ディシャネルには笑って欲しい、その方が魅力的。

例によってwikiから引用
「全体として評価は低く、主演のマーク・ウォールバーグ自身も失敗作と認めている。」
俳優は監督に遠慮して、作品に対してネガティブなことを言いにくいのだろうが、ファンとしてはそういうことは聴いておきたい。まあ失敗作なんだろうけど、退屈はしなかった。
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