いずむ

ハプニングのいずむのレビュー・感想・評価

ハプニング(2008年製作の映画)
4.0
ハプニングというのは予期せぬ出来事が突然変異的に起きたということだ。予期せぬ出来事というのはそれ以前は知る由もなかったということだ。次への備えをするために「なぜ?」を考える。理由や原因へ辿りつくために論理的な道筋を立てる。これは通常の考え方だ。通常というのは「人間的」な考え方ということだ。シャマランはそこに一石投じる。それは完全ではないと。人間的である時点で不完全だと。登場人物と話の転がし方が抜群に面白い。妻を探しに行く親友のあっけなさ。リーダー不在の民衆をまとめられない軍人の頼りなさ。少年たちの残酷な末路。未亡人であろう老人の常人離れした立ち振る舞い。この「寄る辺なさ」が素晴らしい。ラスト、親友から預かった子を見送る二人。妊娠検査薬の反応に心躍らせるズーイー・デシャネル。報告を受けて喜ぶマーク・ウォールバーグ。人間は、ハプニングの連続によって不完全な生き物たり得ているのかもしれない。奇作怪作。
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