ダイセロス森本

ハプニングのダイセロス森本のレビュー・感想・評価

ハプニング(2008年製作の映画)
5.0
今日公開『スプリット』の監督作だと知り、ずっと見たいリストに入れていたので鑑賞。
見えない恐怖、自然が人間に抗おうとするほんの一部分をすごく丁寧に描いていて、この監督すげえや!と感嘆。
地球問題について、モンスターを交えたり、地震や隕石の衝突を使ったりする映画はよく見る。この映画ではそういった「非現実」がひとつもなく、相手が最後まで見えないのが面白い。
「自然のすべてを科学で証明することはできない」人間はとても小さい生き物だと訴える。人間は地球に住まわせて貰っていることを忘れ、化学兵器を使い同種の人間を傷つける。こういったことに、地球はうんざりしているのだろう。。

この映画ではサバイバル術なんかはなくて、気付いた者勝ちみたいなところが多いので、実際こんなことがあったら、的確に判断し生き延びられる人…はいないんじゃないか。
たまたま高校で科学を教えていた教師が主人公だったから、最後まで生き延びることができたのではないかと…。
人間の判断能力、知恵、そいうものより、いかに気付くか、異変を察知するか、何がおかしいのか判断できるか、というところが大きかったかな。
私は即死だわこれ。

きっと地球温暖化なんていうのも、人間のせいだとは言ってるけど、人間の馬鹿さ加減に呆れた地球が、自らをちょっとは傷つけるけど人間は抹殺できるからいいか!みたいな感じで起こっているのかもしれない。
一番最初に被害が出るのは人間。人が死ねば、ひとり残らずいなくなれば、また地球は楽園となるのかも…。

こういう超壮大な映画、でも身近で、考えなければいけない映画って好き。
人間関係に悩むのなら、でかい規模で地球と人間の関係について悩むほうがよっぽどましなのでは。

人間関係のごたごたに悩み、疲れ切ってしまう前に、もっと大きなものに気づこうではないか!!!!

だんだん話がそれていってしまったけれど、環境問題をこれだけ面白く、何気にグロく描けるのは素晴らしい。『シックスセンス』は見ていないけれど、こんなに面白いものが描けるのなら、『シックスセンス』も『スプリット』も面白いに違いない!
ということでどちらも見よう。