円柱野郎

ハプニングの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

ハプニング(2008年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

“主題はドラマの切っ掛けを与えるものにしか過ぎない”という、「サイン」と同じ切り口で描いた夫婦の和解の物語かな。目を引く事件がただのエッセンスでしかないとは…シャマラン監督らしい作品です。
恐怖描写は相変わらず「鳥」や「サイコ」といったヒッチコックを思わせる雰囲気が漂っていて興味深い。ただ確かに恐怖感の煽り方は上手いけど、それってショッキングな場面を列べただけでもある。目に捉えられないものに追われるという原初的な恐怖も描かれるけど、そこは個人的には今ひとつ恐くなかった。
結局の所、色々な仮説は提示されるものの何だったのかよく分からないまま発生し収束していった“事件”。“何故?”を描いて欲しいと思う観客の目線と、「それを言いたいんじゃないんだ」とあえてそこを描かない監督の目線に若干のねじれがあるようにも思うけど、そこがシャマランとしての面白さだと思える人には良い小品なんじゃないでしょうかね。
円柱野郎

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