シネフィルmonk

生き残った者の掟のシネフィルmonkのレビュー・感想・評価

生き残った者の掟(1966年製作の映画)
2.7
青春映画の名作『冒険者たち』が気に入らず、原作者自らが監督を名乗り出て作り直した作品。しかも同年公開(日本未公開作)ということから、少々ややこしい…。ロベール・アンリコがメガホンをとった前者ではアラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラにジョアンナ・シムカスの現実で夢破れた男2女1の主人公三人の爽やかな青春物語だったが、こちらは男3人の設定と生き残った人物そもそもの設定が異なり、財宝を得た直後からマフィアに仲間が殺害され、生き残った男のその後を描いた後日譚。


ストーリーはアラン・ドロンがマニュ役を演じた名前がロシア系のスタンと変わり、ミシェル・コンスタンタンがその役に。仲間の墓参のために再びコルシカに戻ったところから始まり、気に入った娼婦(アレクサンドラ・スチュワルト)を救ったことから地元のヤクザたちの怒りを買い闘うフィルム・ノワール。


あまりに『冒険者たち』の出来が良かったので、いろいろ突っ込みどころ満載だが、原作者が描きたかったのはこういう男臭い作品だったのかと妙に納得した。自ら投獄、脱獄体験を持つ犯罪小説の原作者ジョヴァンニのこだわりを感じさせる作品ではあった。
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