ぽかぽか

落下する夕方のぽかぽかのレビュー・感想・評価

落下する夕方(1998年製作の映画)
4.1
上品な慎ましさ。相米慎二のヒロインみたいな菅野美穂の身体性と奔放さ、演技がわざとらしさ(演技っぽさ)を意識的にやってるような突き抜け感で嬉しい。原田知世は女優として素晴らしいと思うけど、どうしても顔が好きになれない。歳とってから熟成される顔。図書館の書棚の中で背中を向いて立ちながら会話させるアイデア演出。何かの隙間から覗き見るカメラワーク。食事シーンでちゃんと食べさせる偉さ。海のシーンはもちろん最高だし、終盤の菅野美穂の実家を訪ねるところとかお墓参りとか葬式シーン辺りに小津エッセンスが感じられる。夕陽が刺す広い部屋に原田知世が座り込み佇む画面に留守番電話の子供の声をかぶせるところすごく良い。ラストショットが意味深で怖め。
ぽかぽか

ぽかぽか