クロスケ

A.I.のクロスケのレビュー・感想・評価

A.I.(2001年製作の映画)
3.6
スピルバーグの半自伝的な最近作『フェイブルマンズ』を観たあとだと、本作が精神的な部分で極めて個人的なテーマを基に撮られた映画であることがよくわかると思います。

私はスピルバーグが単にキューブリックが温めていた企画を実現させただけとは思えません。これは、母親に裏切られ、母親の愛に飢えた一人の男の魂の物語です。

愛憎の執念深さを感じる、ある意味でとても恐ろしい映画でした。

スピルバーグという人は、精神構造がかなり複雑で、普通ではないのでは…そんな疑念を抱かざるを得ない、作品全体を薄く覆う不気味さが興味深い一本でした。
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