青沢さりた

A.I.の青沢さりたのレビュー・感想・評価

A.I.(2001年製作の映画)
3.7
序盤、デヴィットが家族から捨てられるまでは
非常にしんどかった。
自分たちで決めて引き取ったのに
その家の本当の子供が帰ってきて・・・
若い頃に見てたらただただ親にムカついてた
とは思いますが、
ただ子供の危険を考えると確かに
破棄の考えは出るかもしれない。
でも自分で決めたんだから責任持てよとも思うし。
プログラムでも悲しい気持ち痛い気持ちは
そこに存在してるんだからさあ・・・

子供が戻ってこなかったとしても
この家族にはいずれ捨てられてたんじゃないかな。

そして捨てられた後、他の破棄されたメカたちと出会い
破壊ショーに連れて行かれ・・・

他のメカたちも個性的で、
それぞれに悲しさと不思議なおかしみがあって。

子供のデヴィットの視点で、
でもただの子供じゃないものの視点で見える世界は
美しくて醜く、優しさも残酷さもありました。

人とモノの境界線がテーマですが、
純粋な眼差しを通して
最後に見えていくのはただ母を求めた思い。

ラストに遠い遠い未来で宇宙人に出会い
夢を叶えたのは・・・泣くしかないです。

ハーレイ・ジョエル・オスメントくんの
子役としてのその卓越した演技力、表現力に
改めて舌を巻きます。

人形めいた外見をしてるわけではないのに
作られた理想的な子供感、
その上での感情表現、変化、成長。
健気な愛情。

見事としか言いようがないですね・・・

スピルバーグの未来のピノキオ、堪能しました。
青沢さりた

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