あなぐらむ

俺にさわると危ないぜのあなぐらむのレビュー・感想・評価

俺にさわると危ないぜ(1966年製作の映画)
3.7
英語題は「Black Tight Killers」。「いい娘だった…」でお馴染み、長谷部安春監督の監督デビュー作。
ベーさんが鈴木清順組だった事が如実に分かるカラフルなタイトルバックから描かれるのは、まるで実写版「ルパン三世」なアクション・コメディ。そこにベトナム戦争と「沖縄」をキーに加える中西隆三の毒がいいスパイス。随所に使われる舞台的な演出も楽しい女忍者映画。

都筑道夫「三重露出」を原作に、終戦後沖縄人から取り上げた金塊を巡る、米軍と旧日本軍の暗闘に従軍カメラマン・旭が巻き込まれるのだが、その末裔女忍者軍団が胸にひめゆりの花をつけていて、明らかにひめゆり部隊。それが旭の胸に抱かれ「もっと早く仲良くなりたかった」と死んでいく辺りにちょっとブラックが過ぎるぜ。
メインの外人キャストがそれまでの日活のカタコト日本語の外人ではなくて吹き替えなので、なんかすげぇ東宝っぽい。ニック・アダムスかよ、みたいな。
北あけみも出てるしなぁ。左卜全も楽しい。
フィルム回し過ぎて干されて野村孝組について、「拳銃は俺のパスポート」のB班監督になったというのは不思議な縁。