マーくんパパ

黄色い大地のマーくんパパのレビュー・感想・評価

黄色い大地(1984年製作の映画)
4.0
黄河の悠久の流れ、来る日も来る日も黄色く濁った水を汲み上げて5キロ離れた家まで天秤棒で運ぶ少女、乾いた大地を耕す農民…。監督はあの『さらば、わが愛・覇王別姫』のチェン・カイコー、撮影は『初恋の来た道』『あの子を探して』を後に手がけたチャン・イーモウたち英俊な作家らが作る古くからの因習に縛られ地方で貧苦に喘ぐ実態を描く中国映画には心揺さぶられる。人身売買で嫁に買われる寒村少女たち、次は自分の番だと慄く少女。民謡収集にこの地を訪れ少女の家に寄宿した親切な八路軍兵士から南の延安では売買婚などの古い因襲は無くなったと聞かされる。自分の人生を自分で切り開けない因習、人見知りで頭の弱い幼い弟と少女が初めてこの兵士との交わりの中で明るい希望を宿すが…。どの映画も“遠く離れた町へと続く一本の道、行き来するにはあまりに隔絶された土地で暮らす未来の見えない人たちの生活”が共通している。