似太郎

黄色い大地の似太郎のレビュー・感想・評価

黄色い大地(1984年製作の映画)
4.5
初期のチェン・カイコーは人情味のある溝口健二作品のようで凄く好きだ。溝口✖️アンゲロプロスといった重厚な長回し映像が特徴でもある共産党プロパガンダ映画。

かつての中国映画はこれほど名作が多いとは…。今とは大違い。主人公の女の子が凛としてて如何にもアジア的。ハリウッド映画とは対極に節操がある。ラストの別れの場面が切ない。

ゴダールやベルトルッチといった政治的な監督が中国政府に思い入れが強いのは、どちらかと言えば中国が前衛的でソ連よりも上をいく(当時は)共産主義国だったからかな? YMOとか坂本龍一もぜんぶ中国の模倣だし。

何にせよ中国映画は現在アート系、或いは反体制系はあまり作られていないけど(ジャ・ジャンクーやロウ・イエですら堕ちた)もっと日本で宣伝して欲しいと思ってる。こんなに叙情的で美しいプロパガンダ映画は今はなかなか無いよ!
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