1984年、チェン・カイコー監督「黄色い大地」
この頃の中国映画、特に第五世代と言われる人達の作品には裏テーマで体制批判を潜ませてある。
日中戦争最中、貧しい農村の少女に八路軍の役人との交流で芽生えた生きる希望。しかし結局誰も本当に彼女を解放してはくれなかったんだよね。天安門事件は公開後の1989年。
彼女が憧れる知的で自ら縫い物をする若き役人役に「孫文の義士団」で素晴らしい演技を見せたワン・シュエチー。荒涼とした黄土の大地に響くアカペラの歌声は今尚圧倒的。
撮影監督はチャン・イーモウ。彼ののちの監督作「初恋のきた道」を彷彿とさせる空気もあります。