らんらん

若さま侍捕物帖 黒い椿のらんらんのレビュー・感想・評価

若さま侍捕物帖 黒い椿(1961年製作の映画)
3.5
大川橋蔵主演のシリーズ9作目、今回の舞台は伊豆大島、保養のため島に滞在する若さまは案の定事件に巻き込まれる、、、

前作に続きこのシリーズ2本目となる鑑賞です
前作ではいかにもホームって感じだったんだけど、それに慣れる間も無くいきなり超アウェイ

そして島の人たちが異様に若さまを避ける
その訳は昔江戸の侍が島の娘とデキたんだけど
ヤリ逃げしたらしく、テテナシゴを産むことになった娘はみんなに責められて火口に身を投げてしまった
残された爺さん(水野浩)と娘(丘さとみ)は村八分的に虐められ続けます
つまり江戸から来た侍は女を騙すみたいなレッテルがあって、いつもはモテモテな若さまも今回は孤立気味

メインヒロインはその虐げられる娘のおきみちゃん役の丘さとみ
そんな境遇でも特にグレてないお爺さん想いのいい子
幸か不幸か何しろカワイイので、立場が弱いのにつけ込んで網元阿部九洲男、油商人山形勲なんかに言い寄られていて貞操の危機でもあります

サブヒロインに青山京子、ウブな生娘の丘さとみとは対照的に大人の女の色香を振りまく
飲み屋兼宿場の女将でもあり、網元阿部九洲男や名主兼十手持ちの千秋実なんかがモノにしようと通っているが上手いこと転がしていく、さらには番頭田中春男とも関係があるっぽい

前作とは雰囲気が全く違います、何だかんだのほほんと娯楽作品だった前作と違い、今作では冒頭からおどろおどろしい雰囲気、サスペンス、ホラー色が強い作品かと

見どころの一つでもある犯人当ても全くわからなかった
真犯人は意外は意外だけど、、、みんな怪しいんだもんw
そして出てくる人ほとんど嫌な奴、いい人が少なすぎる

一見虐げられてる側のお爺さんも相当エキセントリックで、実際殺そうとしてモリで襲うわ絞殺しようとするわ
病弱な爺さん?とんでもない!みんなにリンチされてもピンピンしてるし、崖に落っこちても自力で這い上がってくるしで、何だかんだ最後までしぶとく生き残る

椿ババアなるキャラも凄かったなー
全力で追いかける橋蔵を振り切るダッシュ力!

こういう濃いキャラ気持ち悪いキャラが多いからこそ主人公であったりヒロインがより輝いて見えました
ハイライトは崖を駆け抜けていく丘さとみ!アイドルのプロモのようなシーンだけど輝いてました

最後にこの映画で知った知識
丘さとみが「かわいいあんこ」みたいに言われるシーンがあって気になってたんだけど
伊豆大島の方言?で若い娘を指す言葉なんだって
ちなみに何年か後の歌で有名になったらしいけど知らないわー
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