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真夜中の虹のkarmapoliceのレビュー・感想・評価

真夜中の虹(1988年製作の映画)
4.0
Ariel:アキ・カウリスマキ監督、脚本、製作、トゥロ・パジャラ、スザンナ・ハーヴィスト、マッティ・ペロンパー出演、エスコ・ラーコネン、ラウリ・ソマヨキ、タイスト・タミ音楽、ティモ・サルミネン撮影、1988年フィンランド作品。「労働者3部作」の2作目。

フィンランドのラップランドの鉱山労働者であるタイスト・カスリネン(トゥーロ・パジャラ)が、鉱山が閉鎖された後、自殺した父のキャデラックではるか南を目指す旅に出る物語。

前作同様に、日雇い労働やホステルで安いベッドなど底辺の暮らし振りが描かれている。主役のタイスト・カスリネン(トゥーロ・パジャラ)が妙に男気が強くカッコいいキャラクターだ。「私離婚して子供が居るの」と言われて「作る手間が省ける」のやり取りには驚いた(笑)ただ進展の少なかった前作とは違って、物語は思いもよらない方向に次々に展開していく。そのあまりにも不運な男の壮絶な物語が淡々と綴られていくので、呆然と見つめるばかり・・・・。73分の短尺のなかに盛り込まれた激しく不運なエピソードの数々、その普通あり得ないだろう組み合わせが凄い(笑)

かなりシリアスで深刻な状況にもどこか仄かな救いがあって、ユーモアがある独特のアキ・カウリスマキ節。エンディングの曲が沁みる。届くのだろうか・・・。皮肉めいてもいるが希望的なラスト。邦題もいいと思う。かなりぶっ飛んだ作品(笑)また観たいと思う。次作も観よう!
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