みんと

真夜中の虹のみんとのレビュー・感想・評価

真夜中の虹(1988年製作の映画)
3.9
カウリスマキ監督、“労働者三部作”の2作目をやっと鑑賞。

とにかく邦題が素敵な今作。いったいどんな素敵なストーリーが展開するんだろう…
ワクワクしながら観はじめた。

炭鉱の閉鎖で失業したカスリネンは、自殺した父に貰ったキャデラックでひたすら南を目指す。
何もかも無くし、更に不運に次ぐ不運、主人公のあまりの運の無さに希望は見いだせないかと思われたが……。

淡々とカウリスマキ節で綴られた今作も、労働者階級の不条理に可笑しみと味わいをブレンドして描かれる。監督流ハードボイルド・ロードムービーと言った感じ。

キャデラックの幌の演出。
待ってました!と登場のマッティ・ペロンパーとの遣り取り。
シングルマザーと息子くん、3人のほっこりシーンとエピソード。
不運な中にも温かみと監督の優しい眼差しが見て取れる。


なんと言っても、
ラストの“Over the Rainbow“がニクイ!
そして素敵。スコアがビュンと伸びる。笑
みんと

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