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ロザリンとライオンのbennoのレビュー・感想・評価

ロザリンとライオン(1989年製作の映画)
4.6
ジャン=ジャック・ベネックス監督作品…『ディーバ』に続き2作品目です…。


静かな時は優美で高貴…しかし一瞬で獰猛と化し…"美と恐怖"を兼ね備えた存在…ライオンそのものの魅力に虜です…。


マルセイユに住む高校生ティエリーは動物園でライオンに鞭を振るい調教をするロザリン(イザベル・パスコ)の姿を見て一目惚れ…。

自身も調教師になることに憧れ彼女の師匠フレイザーに弟子入りすることに…。

ティエリーとロザリンはやがて恋人関係に…そして慢心から勝手に危険な練習を行い破門に…放浪の旅に出ます…バイクのタンデムで木立の中を走り抜けるシーンは…アオハル…。

技量を磨く為にサーカス団を渡り歩き…苦労の末、ドイツの有名サーカス団に採用されますが…そこでは彼らにとって最大の試練が…。



ストーリー展開よりも圧倒的な映像の喚起力…ジャン=フランソワ・ロバンのカメラによる巧妙な画面、色彩構成に溜め息ばかり…。

一体どうやって撮ったのだろう…と訝しむ程、調教の際の荒れ狂うライオンの迫力を捉えます…。

それとは対照的にベネックスらしい静寂の行間も映像と共に美しさを増します…。

そしてヒロインに扮するイザベル・パスコの眩しい存在…ドミニク・サンダをもっと可憐にした雰囲気のとても透明感のある女性…。

クライマックスのサーカスのショーは何度も観たいくらい圧巻…彼女はほぼ全裸に近い姿でライオンと対峙…人間と野生動物のしなやかさと危うさにエロティシズムも感じ息を呑みます…カメラワークも絶妙…。

また、作中では一服の清涼剤ともなる存在…愛猫のアビシニアンを調教するのが念願のティエリーの英語教師…夢を追うふたりを助け温かみを添えます…。

そして彼の言葉がとても好き…ෆ*

« Le chemin le plus court d’un point lors je n’ai pas la ligne droite mais le rêve. »

 2点間の最短距離は直線ではなく…夢なのだ…。


thanks to; サマーさ〰︎ん ✮꙳ 𓂃 𓂂𓏸
  とっても遅くなりましたぁ(* > <)️𐊖𐊫𐊯𐊯𐊲
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