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アラジンのrensaurusのレビュー・感想・評価

アラジン(1992年製作の映画)
4.6
ランプの精・ジーニーの存在感でエンターテイメント色が強く、軽快で楽しい作品になっているだけではなく、アラジン・ジャスミン双方に焦点が当たっていることによって男女どちらから見ても乗りやすい作品になっているように思う。

特にジャスミンは、「自らの意思で男性を選び、自由に生きることを夢見るプリンセス」という点においてそれまでとは一線を画す存在となった。

社会に認められないが自由なアラジンと、地位はあるが自由を求めるジャスミンという自分にない部分に惹かれる恋愛模様は非常に説得力がある。現状の打開という大きな括りで見ても感情移入がしやすい。また、アラジンがジャスミンの物怖じしない性格にギャップ萌えするシーンや、アラジンがジャスミンの気持ちを理解した行動を取ることでジャスミンの心を掴むシーンなどを挟み、リアリティのある恋愛を見せることに成功している。

私見ではあるが、この2人は同性から見ても憧れの的になる存在であるように思う。自由人で頭が切れて人の気持ちが分かる男性と、美貌はあるけど媚びずに自立心がある女性って大体同性から好かれてるよね。

そんな2人が歌う「ホール・ニュー・ワールド」はいつ聞いても名曲!アラジンが身分を偽っている中でのミュージカルシーンであるため、突き抜けた気持ちよさではないものの、2人の心が通じた胸キュン必至のシーンになっている。

アラジンもジャファーも、ジーニーを利用して私欲を満たそうとしたものの、アラジンは正直さと利他の心を忘れていなかった点、ジャファーはどこまでも欲をかいた点に相違が見られて良かった。

あと仕方ないとはいえジャスミンがジャファーとキスしたのむちゃんこ腹立つ!まあそのジャファーを止めるためにちょっとした自己犠牲も厭わない感じが良さでもあるけど。

映像面においても、CGが効果的に使われるなどの技術的な試みが見られる。初めて見た子供の時にはあまり意識しなかったが、改めて見ると発見があり面白い。

若干の時代錯誤が感じられるようになりつつも、そんなに狭量に見ずとも素晴らしい作品であることには違いがない。やっぱりディズニーファンタジーは良い。
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