映画大好きザウルスくん

追撃者の映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

追撃者(2000年製作の映画)
3.3
腕利きギャングのカーターは弟の不審死の真相を探るうちに復讐の鬼と化していく…。リメイク元であるマイケル・ケイン主演の『狙撃者』(71)では軽く済まされていた姪との交流を中心に据えたり、カーアクションを多めに入れたりした全体構成はちゃんとスタローンナイズされていて見事だと思いましたが、マイケル・ケインが主人公だからこそ持ち合わせていた上品さやそこからのカウンターとしてのクズ男な描写、さらにはキレた時の意外性などの面白さは随分と後退していたため、終盤の無情さを欠く展開も含めて評価があまり高くないのも納得がいきました。

本作が公開された2000年当時のスタローンよりも『エクスペンダブルズ』(10)で盛り返して以降の近年のスタローンの方がこういったノワールテイストがバッチリ当てハマる気もするので(例えば『バレット』(12)みたいに)、もしかしたら時期尚早だったのかもしれません。明らかにガタイが良くて強そうなのにミッキー・ロークにタイマンでボコボコにされたシーンには流石に首を傾げましたが、スタローンが『ロッキー』(76)の頃から続けている「不器用な男の精一杯の生き様」がしっかり描かれていたので最終的にはスタローンファンとしては十分腑に落ちる作品でした🙌