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クワイエットルームにようこそのnodoubtのレビュー・感想・評価

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※記録用です。

睡眠薬を大量に飲み過ぎて精神科の閉鎖病棟にある保護室“クワイエットルーム”へと運び込まれたフリーライターの明日香(内田有紀)。
そこは外の世界から完全に隔離され全てが規則に縛られた、とても息苦しく孤独な場所。

明日香はそこで拒食症患者のミキ(蒼井優)や、相当に怪しい過食症の西野(大竹しのぶ)ら、心に様々な問題を抱えた人たちとの入院生活を送り始める…。

相当重くて暗い作品を連想するでしょ?
でもそこは監督松尾スズキ、基本はブラックでグロくて下品なギャグ満載のコメディ(後半はかなりシリアス&ヘヴィな展開ですが)になっています。

面会に来た彼氏・鉄雄(宮藤官九郎)が拘束された明日香を見て言った
「なんかレクター博士っぽいね」
にまず笑ってしまい、
クドカン号泣の
「トイレじゃないんです~」
「あれ?」
「トイレになりそうです~」や、マトリョーシカ見て警官「かわいい」に、登場して早々に大量出血退場の松原医師(庵野秀明)、小っさい塚本晋也など結構笑わせてもらいました。

主演の内田有紀さんは酒・睡眠薬・セックス・失禁・ゲ○・そして特殊メイクをしてのジンマシンと、かなり頑張ってましたね~。

しかし演技ではやっぱり蒼井優さんがダントツ。
実際に減量して役作りに挑んだ拒食症患者の役。
彼女が垣間見せた心の闇、かなり怖いです。
蒼井優さんの出演作、そんなに数は観てないけれど、観るたびに好きになる女優さんです。

他のキャスティングも絶妙で、本当にぶん殴ってやりたいほど憎たらしい大竹しのぶさんや、首にボールペンが刺さっても負けない冷血ナース・りょうさん、クドカンの子分役でまゆ毛を繋げてバカキャラを嬉々として演じていた妻夫木聡さん。

そして最大のヒットが、まるで草食動物のようなナース山岸役の平岩紙さん(木更津キャッツアイのミー子)。
“凶悪な食事”の説明をする山岸に、クロネコ山岸、組体操の“扇”の真ん中の山岸。
そして拒食症の患者が初めて食事を完食した時の涙の山岸…。
全てに癒されました。

笑ってオエッてなってホロッとさせられて考えさせられる。
そんな秀作でした。
タイトルも好きです。
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