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眺めのいい部屋のmichiのネタバレレビュー・内容・結末

眺めのいい部屋(1985年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

『眺めのいい部屋』というタイトルから魅かれるものがありました。本当に眺めが最高だった。フィレンツェ行ったらあんな部屋に泊まりたい。
苛立ったり温かい気持ちになったりと、観ながらいろいろな感情が通り過ぎていきましたが、最後にルーシーが馬車に駆け寄った笑顔があまりに幸せそうで涙が…。ラストシーンは「ロマンチック」という言葉がぴったりかなと思いました。本当に素敵な作品でした。

ルーシーは年配の従姉シャーロットに付き添われてフィレンツェの宿にいるところからお話が始まりますが、このシャーロットがかなりのくせ者。ルーシーのあれこれにいちいち介入するわ、秘密は守れないわで邪魔ばかりする一方、本人はお堅いだけで悪気はないから憎めない。心からルーシーの幸せを願っているのが分かるし。でも一緒に旅行なんて勘弁だわ…
いい感じになったジョージとの仲はシャーロットに引き裂かれた上に、ルーシーはイギリスに帰って面倒くさそうな陰キャ紳士セシルと婚約してしまう。セシルも困ったさんで、自分の世界に浸りすぎて、もの言うルーシーと合うわけがない。
一方で、繊細ながらもルーシーにワイルドに攻めてくるジョージにはドキドキしてしまった。ポピーと小麦畑のシーン、そしてラストシーンも良い!
あとはルーシーの弟が愛らしく好きでした。この後の『モーリス』の雰囲気もありながら純粋で爽やかで。

その他お気に入りポイントなのが、タイトルバックやストーリーの変わり目に差し込まれた美しいイラスト。おしゃれなフォントで小説で章ごとにタイトルが入るかのように字幕が入ったりして独特の世界観が魅力的でした。
やっぱり音楽も良かった。『モーリス』ですっかりハマったリチャード・ロビンスのスコアも期待通りだったし、ルーシーが弾く曲のセレクトも彼女のテンションにぴったりで。


以下、ちょっと気になること。モザイクが入ったり入らなかったりする基準て何なんでしょうね。別に隠されたものが見たいわけじゃないけど、モザイクはかえって気が散って邪魔です。この前同じ配信で見た作品はいろいろ全部見えてたけど、特に問題は感じなかったけどなぁ…。
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