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眺めのいい部屋のgeminidoorsのレビュー・感想・評価

眺めのいい部屋(1985年製作の映画)
3.9
過去鑑賞。
当時、19か二十歳。劇場で観たがあまり楽しめなかった記憶。以降観返してはいない。
理由としてヘレナ・ボナム・カーターという女優を素敵に感じない自分が居る。これはもう完全に生理的な、というか動物的感覚として苦手なのだから仕方ない。
(ちなみに最近は多忙過ぎて映画鑑賞タイムが全く作れない。゚(゚´ω`゚)゚しかし本日の配信ニュース読み、書かずにおれなくなり、久方にレビューするざんす!)



本作にも出演しているジュリアン・サンズ。
雪溶け始まった山で、とうとう彼の遺体が見つかった。

今年1月から行方不明のニュースを読み、半ば諦めていた。
登山好きで然も単独を好む彼だったが。
まさかこの様な死に方をするとは…

いやはや、人生とは誠に不可解な。

彼は個人的に好きな俳優の一人だった。
全ての出演作を観てきた訳ではないが、好きな映画作品に実に時折危なく切ない役で現れては強烈な印象を与えてくれた。
彼、生まれもった端正な彫深い顔立ちがアダとなり、総じて鑑みたら役柄を狭めたかも知れない。
だが、ワタシはいつの頃からか彼の山好き(余暇の使い方)を山岳雑誌で知っていたので、本人の性格・人格自体がガツガツとハリウッドや世界に派手に抜きん出て生き延びたい等とは思っていなかったタイプかしらんと勝手に思っていた。

隠れた名作だと思う「太陽は夜も輝く」にて彼が演じた迷える神父だったか…たしか三部構成だったか、その一つをよく思い出す。
今も、山岳地帯にポツンと建つ石組みの礼拝堂に、若きシャルロット・ゲンズブールが訪ねてきた夜の場面を静かに思い出している。
迷い惑わされながら、どうしても堪らず彼女の白い胸にくらいつくジュリアン・サンズは、或る意味では我慢のならない弱きワタシ自身でしかないからかも知れない。





風を切って歩いたり、空を飛んだり、不滅の英雄なんて役は一つも無い彼だった。
しかし、好きな作品の中で彼は永遠に妖しく輝やくだろう。

雪の中で半年間以上、倒れたままだった彼。
見つけてもらい(詳しくは判らないが)これからヒトとしての埋葬を受けるのだろう。

しかし不図思う。
誰にも見つからなくて、獣に食べられ、虫や有機物に分解され、自然に土に還った処で、彼はそれも又本望だったのではないだろうか…
きっと彼独特なニヒルな笑みで"ほくそ笑んでお終い"だった様な気もする。
勝手ながら。


又ひとり好きな俳優が、この世から居なくなってしまったナ…

いずれにせよ
深く合掌したい。
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