リーアム兄さん

ワールド・オブ・ライズのリーアム兄さんのネタバレレビュー・内容・結末

ワールド・オブ・ライズ(2008年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

【好きなセリフ】
ハニ「死んだなら君の英雄物語を話そう。そうすれば彼女は君を永遠に愛する。たが彼女の愛は自分で勝ち取れ。」

CIAエージェントのフェリス(レオナルド・ディカプリオ)は上司のエド(ラッセル・クロウ)のもとで中東の原理主義テロ組織の情報収集を行なっている。欧州での自爆テロが多発する中、その指導者であるアル・サリームを逮捕する任務に就いていた2人はヨルダンにサリームの隠れ家があることを突き止める。フェリスはヨルダン情報局の協力を得ようとするが、エドはそれを拒否する。エドの指示によりなかなか作戦がうまく進まないことに嫌気がさしたフェリスは単独でヨルダン情報局の指揮官であるハニ(マーク・ストロング)のもとを訪れ、協力を得る。しかし、お互いに誰のことも信用できない情報戦を繰り広げていく中で犠牲者だけが増え、一向にサリームに近づくことができない。そんな中フェリスはサリームを誘き出すため、架空のテロ組織を作り上げるという、大胆な作戦に出る。

レオナルド・ディカプリオとラッセル・クロウがリドリー・スコットのもとでダッグを組んだ映画。
CIA対テロ組織という実際に地球上で起こっている出来事を映画化した点においては「ブラックホーク・ダウン」と同じような系統になるが、やはり「ブレードランナー」や「エイリアン」などと比べるとリドリー・スコット感は少ない。
ただ粛々とテロとの戦いとそれに従事するCIAの冷酷さ、情報戦の恐怖を我々に伝えることを重視している内容だった。
一つの目的のために、複数の組織とその構成員が騙し合いをしていき、構成員は当然のように駒のように扱われている。
人間の愚かさが身に染み、この世から戦争・テロが早くなくなることを祈るようになる。
映画の終盤でエドが「中東なんか最悪だ」と言ったのに対し、フェリスが「その考え方がいけないのかもしれない」と返す。
善悪の構図自体がナンセンスなのかもしれない。

映画の内容は賛否が出ると思うが、ハニ役を演じたマーク・ストロングのかっこよさは満場一致だと思う。
上品なスーツ姿で紳士的に話をしつつも、仕事になると冷徹に任務を全うする。
渋くてカッコいい。。。