こかだじぇい

誘惑のこかだじぇいのレビュー・感想・評価

誘惑(1957年製作の映画)
4.0
1957年公開。中平康の最高作という記述もネット上にあったが、どちらかというと珍品にはいる。伊藤整の朝日新聞連載、新潮社刊行本が原作。おそらく原作を踏襲してだろうが、登場人物たちの「内面心理」の描写がしつこいぐらい描かれる。
銀座で洋品店を経営する、千田是也と左幸子の父娘。左幸子は前衛生け花を学んでいる設定。
店の二階を改装してイベント・スペースにすることとなり。美術学生たちとの交流がはじまって、奇妙にドタバタとした喜劇が展開される。
「有名な先生」として、岡本太郎含む4名の実在の美術畑の人物が登場。
また、店の使用人で脇役の小沢昭一が、ハヤカワ・ミステリを読んでいるという設定で。ジョゼフィン・テイン「美の秘密」(1954年刊行)、マーガレット・ミラー「狙った獣」(1956年刊行)の書影が登場する。
終盤、千田是也の「昔の恋人の娘」として登場する芦川いずみが美しく、短い出演ながら、場をさらっている感がある。
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