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ハッピー・フューネラルのNMのレビュー・感想・評価

ハッピー・フューネラル(2001年製作の映画)
3.7
アメリカの巨匠が中国に来て大作を撮っていたが、老齢で突然倒れ搬送。
俺の葬式は「喜劇葬式にしてくれ」と言い残して。

いつも監督を撮っていたヨーヨーという男がその現場にも居合わせた。
タイラー監督に気に入られていた明るく情に厚い彼は、望みを叶えてやるべく早速動き出すが……。


その準備の様子は既に喜劇、トラブルの連続。
タイラーは手の施しようがないらしいが会話は普通にでき、病院で葬式準備の様子を聞き他人事のように楽しんでいる。

ヨーヨーは時に感情的になりつつも知恵を使いいろいろなアイデアを出す。
タイラー監督はその才能を見抜いていたらしい。
予算がないので提供を募ったため、それらの商品を使って喜劇にするという制約もつき、もうめちゃくちゃ。

やがてタイラーはなんと回復してきた。集めた予算をどうするか。
ラストは意外な展開。まさに喜劇。


エンディングに満足。好き嫌いは分かれるだろうけど。

ヨーヨーが主役と言える。とてもいい味を出している。他の役者も。
三谷幸喜の作品から分かりやすいコメディ要素を抜いてその分シュールさを足したようなイメージだろうか。
挿入される気まずい可笑しさがとても好み。人生は常に喜劇なのかもしれない。むやみに意気投合したり、突然皿が割れたり。

二言語が飛び交うがとても伝わりやすく撮ってあり観客に親切。
ヨーヨーがパターを床でくるんくるんとする短いシーンだけで気持ちが伝わる。

こんな葬式やってみたい。今の時代相当批判もされるだろうが。

ところで黒澤明やコダック社が非常に評価されていることが嬉しい。監督の代役の日本人だか日系人だかはいけ好かなかったが。
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