フジマークス

新宿マッドのフジマークスのネタバレレビュー・内容・結末

新宿マッド(1970年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭から、オープニングロールまでのシークエンスがカッコいい。血塗られた人の死体の映像、白黒が反転した映像と、ジャズ。

そして意外にも主人公は、田舎でまじめに働いてきた中年の男。
元フーテンの息子が仲間に殺されて、その仇をとるために新宿の街を彷徨う。
男の生い立ちはとりわけリベラルなものではないようで、人としての考え方は当時だけでなく、令和の多くの人間とも共通するものを持っている。
ので、当時のフーテンのふるまいに驚き、とまどうような視点によって、フーテンの性質が解りやすく映し出されているように思える。

一方で、男の精神性は、他の監督作の主人公と共通している。
警察との対立。そして組織との対立。組織は、組織されていることで一定の満足がある。今作では、フーテンの組織に対立する。
組織に対立する、個の行動力を重要とする語りは、「処女ゲバゲバ」「天使の恍惚」にもある。
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