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マンハッタンの346のレビュー・感想・評価

マンハッタン(1979年製作の映画)
3.3
フランスの映画ファンが選ぶウディ・アレン映画No.1っていう記事をどこかでみて、納得だなぁと思った。

自分はフランス映画が苦手だ。
これは超勝手な思い込みだけど、フランス人は人生がとても充実してるんだと思う。だからそんな彼らが、非現実的な世界として映画に求めるのは、退屈な人間のエゴと、セックスと、利己心なわけで。でも、充実してない人生をおくっている俺からしたら、こんなの映画みなくても周りを見渡せばおしまいじゃんと思ってしまうのです。

じゃあ、自分の大好きなアメリカ映画はどうなのかというと、アメリカ人は一見、充実した人生をおくっている人が多いようにみえますが、あれは、そうみてもらいたいという見栄と虚勢に満ちた美学が彼らにあるだけで、本当は凡庸な人生に退屈して呆れかえってる人々が多いのです。だから映画には華やかな演出、俳優。ハラハラドキドキさせる脚本が求められるのです。

そして悲しいかなここ日本では、映画ですらなく、二次元に逃げるという、現世になにかを求めることすら諦めた人々が多く暮らしています。そんなわけで、充実していない人生をおくっている典型的な日本人である自分は、フランス映画的非日常は、日本人的日常であるがゆえに(おしゃれであるかないかは無視して)つまらないのです。

結局、何が言いたいのかというと、ウディ・アレンはダイアン・キートンと付き合ってる頃は充実した人生をおくっていたんだなぁ。ってことでした。


いや、この映画、それなりには面白かったのですが…。
私事ですが最近、好きな人が出来たことで付き合っていた彼女をふり、その好きなった人にも思いが届かず、ひとりとなるという経験をしたばかりだったので、ウディ・アレンの役柄がリアルすぎて、最後のシーンなんて彼の愚かな思いが透けてみえて、あの縋るような気持ちがわかるぶん、痛かったのでちょっと減点しました。

自分の人生が充実したものであったら、きっとこの映画は高評価です。
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