天豆てんまめ

マンハッタンの天豆てんまめのレビュー・感想・評価

マンハッタン(1979年製作の映画)
3.9
ウディアレン作品の中で最も美しい。モノクロのマンハッタンの情景が心に刻まれるセンスの良い映画だ。17歳の女子高生と42歳の禿げた中年の恋愛。ヒロインのマリエルヘミングウェイはあの文豪ヘミングウェイの孫娘。禿げた中年はウディアレン。現在干されウディの元凶のようでもあるが、明らかに精神年齢に勝る17歳が42歳をたしなめる。その関係性が妙にしっくり見えるのが不思議だ。またこの恋愛の果てはあまりに身勝手であまりに情けないのだが。。それがウディアレンの自虐的かつシニカルに自分含め人間を突き放す彼特有の視点。そして全編インテリ達の他愛のない会話が続く。ただニヤニヤしながら楽しめる。そしてやっばりダイアンキートンもやはり味がある。まあ、彼女はアニーホールが最高すぎるのでこの作品では控えめだが。しかしウディアレンの元妻役がメリル・ストリープって凄いな 笑

私はアニーホールの方が好きだけど、この作品の方が好きなファンもかなり多い。何だろう。音楽も映像も台詞も歪な恋愛劇も流れるように紡がれてとにかく浸れる不思議な魅力を持つ映画だ。リビングを薄暗くして、ラプソディインブルーに身を委ねながら、名カメラマン、ゴードンウィリスの芸術的なモノクロのマンハッタンの夜景を眺め友人と語らいながらこの映画を観たいな。みんなでしょーもないウディをツッコミながら 笑