津軽系こけし

名探偵コナン 時計じかけの摩天楼の津軽系こけしのレビュー・感想・評価

3.8
赤い糸紡いで20年、そのはじまり


【初の劇場版名探偵コナン】

✍️今作1番驚きは、爆風に耐える蘭ねーちゃんの異次元級の体幹。

🟥名探偵コナンはアニメシリーズが1996年に放映され、その翌年1997年に本劇場版が公開。当時は「なんか推理モノが来たぞ」とばかりだったが、まさかここまでの長寿コンテンツになるとは
その初映画たる本作は、なかば歴史資料としての意義すら持つのではないだろうか

🟦アニメシリーズは、コナン御一行がエピソードごとに殺傷事件を解決してゆくという1話完結型の作品。その映画化となると、事件のスケールもやはり変わってきます笑。
一家の殺人事件くらいに留まっていたスケールが、街を巻き込んだ爆破テロスペクタクルへと変貌。まったくもって、コナンワールドの治安の悪さはどうなっているんだ…?

⬛️推理モノですので伏線回収に魅せる展開が多く、そこにコナンと蘭の恋愛要素を織り交ぜたような内容です。やはり、少しの恋愛要素と街を巻き込むスペクタクルという形式はここから脈々と受け継がれているのだなと思います。

【白鳥任三郎というキャラクター】

🟦この映画はこの男なくして語れない。本映画初登場ののち、本編にもレギュラー入りすることとなる白鳥任三郎。

🎬〈制作秘話〉
彼は目暮警部の助手的な役回りでキャラを獲得していますが、元は本作の犯人をわからなくするためのダミーとして起用したキャラクターなのです。彼の少々鼻につくような言葉付きは、「こいつ犯人なんじゃね?」と思わせるためのフェイク。その証拠に、中盤ほどで毛利小五郎が彼を犯人と勘違いするシーンがあります。

しかし悲しいことに、彼の意図的に演出した怪しさは、独特な言い草から観客に滑稽と思われてしまい。彼が言葉を発するたびに、劇場が笑いに包まれるという珍現象が起こりました。
そうしたリアクション受け、白鳥任三郎は犯人のダミーという誇り高い役割を解され、「劇場版に出てくる変なおじさん」という不名誉な役割を与えられてしまったのです。

🟥本作ののち、原作にも登場したことでレギュラー入りを果たしましたが、映画史に残るなんとも悲しい誕生秘話です。

【コナンとは何かなまとめ】

昔は特に何も思わず観ていましたが、免許を取得した今観るとコナンくんの車道アクションにひやひやします💦。横断歩道の二輪に引かれそうになったとことか、タクシーに当たり屋しにいったとことか、ホントにあれはやめてほしい。本編以上に心臓止まる。
まともに観ると、ご都合主義と、こじつけのてんこ盛りですがそこはコナンブランド、現実問題なんぞ思い出させない世界観を構えます。
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