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シルビーの帰郷
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『シルビーの帰郷』に投稿された感想・評価

No.791[スナフキンの帰郷、或いはライヒャルトの原点] 70点

いきなり母親が幼い姉妹を祖母の家に残して朗らかに自殺するという狂気的な作品。母親の死後、その妹で自由人のシルビーが姉妹の世話役として里帰りし、姉妹は奔放な彼女に翻弄されていく。印象的な浸水シーンを経て徐々にボロボロのゴミ屋敷として変貌していく実家を中心に、姉妹はシルビーの背中を見ながら己の進む道を自ら開拓していくことを学んでいく。大人と子供の端境を行き来する姉妹にとって、仕事もせず掃除もせずフラフラとしているシルビーは教師であって反面教師でもあるのだ。同世代の女の子たちに憧れる妹は明るい色の服にスカート、自由なシルビーに憧れる姉はボサボサの髪にジーンズといった風に、彼女たちの対比は非常に分かりやすい。

パシフィック・ノースウェストの田舎町を舞台に、女性の生き辛さを描いた作品であり、場所の雰囲気もテーマもケリー・ライヒャルトと似ている。それも長編ではなく中編『Ode』に。しかし、90年代特有の悲劇性で幕を下ろした同作に比べると、姉妹が自らの意思で別々の道をゆく本作品の"バランス感覚"は所謂"両論併記"だとは思うが、より希望的だ。

それにしても、自由人としてのシルビーのイメージはスナフキンみたいな感じで、少女が真似するには少々早すぎる気もするが、合わないなら合わないでやり直したいとこからやり直せば良いかと思ってみたり。それこそ屋敷に火を付けるように。ラストの線路も印象的。完全に『River of Grass』。同行者がいて、世界から隔絶もされてない、心地よい開放感。
菩薩

菩薩の感想・評価

3.7
母がどんな理由で自ら命を投げ打ってしまったかは勝手に想像するしかないがおそらく「生活」と言うものに疲れてしまったのだろう。一方彼女と瓜二つの叔母は「生活」からは程遠いところに位置し、それよりも「放浪」を理想として生きている。そんな叔母と生活を共にする事になった姉妹、姉は叔母に惹かれるものの妹は彼女を嫌悪し「生活」の中に存在し続ける事を欲する(家庭科の先生の養女にと言うのが象徴的)。社会の中で個として生き続けるには社会の中に存在していなければいけないとの現実、でなければ簡単に「脅威」と認識され排除ないし矯正されてしまうのが常だが、二人は今ある生活に火を放ち敷かれたレールの先を目指す。得も言われぬ強烈なラストカット、「未来は明るいわ」と言う叔母と共に目指すその先は真っ暗闇である。アンゲロプロスもびっくりな洪水、ツァイ・ミンリャンも真っ青な浸水。
kyoko

kyokoの感想・評価

3.7
大雨がもたらした浸水からの「実録・汚屋敷になるまで」
現代であればなんらかの発達障害と言われたであろう叔母と、叔母に親近感を持つルーシー。ふたりが真っ当な社会生活を送れてナンボの価値観の中で生きることは、現代よりもはるかに過酷だったに違いなく、漆黒の闇に消えていくふたりの未来が明るいとはとてもじゃないけれど思えないし、金も家も持たないふたりがホームレス生活になるだろうことは想像に難くない(もうその手のお友達はいるし)。それでも自死を選ぶ母親よりは、火を放ってまでも逃避する叔母のヤバさのほうが少なくともルーシーを死に追いやることは絶対にないだろう。

姉の生きづらさに気づきながらも、人生を分かつ決断をした妹ルシールが、燃えた家を見て、母親の死よりも強い孤独を味わってしまいそうなのがむしろ心配。

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